劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] を見た

Amazon Prime だったりdアニメにあったので円盤買うかレンタルするか迷ってたけどとりあえず見てから考えようということでAmazon Primeで見たので感想
原作の結末知っていたのと当時公開されたときはFGOにお熱だったので映画を見に行こうとは思っていなかったけど月姫をきっかけに自分の中でFateシリーズのリバイバルが来ていたので見てた。
※ネタバレあるよ

一気に見たのと原作をあまり覚えていないというのもあるのでご了承願います。
章単位でここがこう、と書こうとしたけど感想書きたい気持ちが高まっているせいで思いついたところを一気に書いてます。

ここからが感想。
全体的なことを言うと、桜の心理描写を絵で表現していたり、士郎とのシーンを長く使っていたりで「本当に愛されキャラになったな~桜は」ということ。
映画の軸としても桜を主とした話と聞いていたので、視聴後の感想としても一切ブレていなかったなと思った。

そう思った場面を順番に挙げていくととまずは1章プロローグ。
共通ルートではあるけどUBWでは初回1時間使って放送していたシーン。
流石にランサーに刺された以降は原作でも桜は出てこなかったので言峰出てくるあたりまではだいぶカットされていた。
タイトル出てくるまでの間も士郎と桜との時間の話が尺を結構使っていたりで、ヒロインが桜なのをここで改めて主張しているなと思った。

次は2章。ギルが退場する場面。
急にメルヘンになったシーンは桜視点の話なのも納得できた。
桜のセリフの言い回しも原作こうだったっけ?という具合で覚えていないけど。
急に見たことのないシーンが出てきて???とはなったけど桜視点で考えると納得できた。
原作だと絡んできたチンピラを食べる(物理)シーンなのでなるほどね、ってなったり。
ここは一番印象に残った。

3章の凛vs桜もそうだった。
桜が圧倒的と思われる状況で冷静に解析した凛が活路を見出したり、魔法に近いことをやってのけたりで人間同士の戦いという意味ではかなり熱い展開だったけれども、
からしてみれば姉に負けるかもしれないという不安要素の方が勝っている状況で、ラスボス的ポジションにも関わらず目線が桜を向いていた。


次は原作CGにカットを寄せたことが多かった。
まずUBWの話をすると、全体的な話の流れは原作通りだったけれども、原作CGと比べるとそれっぽいものはあったけれども意図的に合わせているようなシーンはほとんどなかった。
表現する上ではしょうがないのかなと思ってはいたけれども、HFは髪をかき上げているCGがあったことに驚いた。
セイバーオルタが宝具を打つシーンでもZero以降の作品でよく見る上段の構えから放つのではなく横からぶん回すよう、原作CGに合わせた構えになっていた。
これはまあ、黒化する前と明確に分ける意図があったのかもしれないけれどもZero以降の作品がカリバるときは大体上段の構えなのでおぉ...とはなった。ufoでそれをやっていることも含めて。
DEEN版がアレだったのもあったかもしれないけれどそれはそれとして)


あともう一つ。上記でちょっと触れた、映画の追加カットも印象深かった。
特に2章のバーサーカー戦。
左腕の礼装を外した士郎がアーチャーを追い越すシーン。
追い越す士郎を見つめるアーチャー。
投影の詠唱「投影、装填(トリガー・オフ)」で銃弾を装填。
士郎の血涙、といった、てんこ盛りの内容があった。
原作では文章で補填されていた内容を映像にするとこうなるのか、というのと
アーチャーが自分とは違う選択肢を選んだのを見届けたときの表情は泣きそうになった。UBW知った後だとね。どうしてもね。

後は3章の聖杯の門を閉じた後にイリアがアイリと再会するシーンだったり、
アーチャー(と思われる腕)が沈んでいく士郎を手で掴む→ネックレスが弾けるところとか、第三魔法行使後の士郎が鳥籠に入っているところとか、士郎の魂入れる人形探しているところで燈子と思われる後ろ姿が出てきたりとか。
数えたらキリがないところで原作になかった細かいところの補填(ネタの仕込み)をしていたのはちょっとうれしかった。


ここまでがよかったところ。
ここからはちょっとな~ということろ。

全体的に桜にフォーカスを当てた内容になるので、それ以外のところは説明不足だなと思うところがあった。原作もそこまで説明はなかった部分もあるけれども。
一番は聖杯戦争後でもライダーが残っていた理由。

その影響もあったせいか、イリアと言峰の掘り下げも足りなかった。
特にイリア。イリアルートとも言われているHFで掘り下げられなかったのはちょっと残念だった。

あとは左腕使用後の士郎の状態。
腕を経由してアーチャーに侵食されていたり、士郎自身も内側から壊れてきている描写が少なかったせいで
ライダーやイリアの名前を思い出せなかったことやセイバーオルタになぜその言葉を投げかけたのか、
ペンダントについてぼんやりとした目で話したり、剣が内側から出てきたりでアーチャーに侵食されていることを示唆していると思われるけれどもちょっと足りないかなと思ってしまった。


ここからはごく個人的な感想。
HFは桜メインではあるけど、原作プレイ後もそうだったし映画視聴後でもやっぱり桜に感情移入はできなかった。
どちらかというと士郎の葛藤の方が心に来るものがあった。
HFでの士郎としてのテーマは理想との決別なので、2章は士郎の葛藤のシーンでは泣きそうになった。

3章もセイバーオルタ戦の最後は何度見ても辛い。
士郎の一言もアーチャーの記憶によるものではあるけれども、何よりセイバールートプレイ後にあのシーンはどうしても辛くなってしまう。
それは別として、オルタになっても士郎に対する態度だけは変わっていない設定どこいった?ってくらいセリフがブレブレになっているのがどうしても気になってしまった。
staynight楽曲のリミックスもせめて丘の上の教会とローレライは出してほしかったなぁ

いろいろと思ったことを書き上げたけれども、結果としては作品の映像クオリティとしては無問題だけれどもある程度の予備知識を持っていないと描写の意味がわかりづらいかなというところ。
HF映像化は本当に嬉しかったし、何よりstay nightを今になってもやること自体嬉しかった。
ここに至るまではFGOという存在があって、シリーズ原点となる作品としての評価が上がったのもあるのかなと思っている。
劇場版UBWからTV放映するまでも4年空いたりしているので(別な理由だろうけど)HFもいつやるんだろうなーと思っていたら短い期間で映像化が決定、しかも劇場版で3部作というstaynightのトリにふさわしいものになったので本当によかった。

stay night 系列のメディア展開はこれで区切りはついたところで寂しいけど、まあそこはHollowに期待かな。Zero10周年も楽しみ。
FGOで士郎のカワを被ったおじいちゃんが出てきてるしイベントでstay night やってくれないかなぁ。最初の舞台冬木だけど。